バンとバンバンの備忘録

いつの間にかCB750の備忘録

E/Gハンガーの二つの役割

外したエンジンハンガー。

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上の2枚の厚さは4mm、下の2枚は厚さ6mmのプレート。金属ゴミの収集日に出し忘れていたのだが、せっかくなので磨いて塗り直して保管しておこうと思っていたらスゴい事に気づいてしまった。

 

4mm厚の方はスキッドパッドのベースと共にフレーム左右のダウンチューブに固定され、ハンガーボルトでエンジン前方を支えている。これを二枚重ねてみると…

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当然ピッタリ合うのだが…

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片方だけ裏返してみると反ってる!

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つまりそういうことだ。同じ方向に同じだけ曲がっている。よく見ると、くの字ではなくS字状(クランク状)にオフセットしている。その分だけエンジン前方は横にズレていたことになるが、たぶん前オーナーがコケたときの後遺症だろう。

 

エンジンに擦り跡や打痕はなくて、左のスキッドパッドは結構削れてた。恐らくコケたときの衝撃はスキッドパッドの一点に集中して、その根元にあたるフレームのダウンチューブが歪む。その結果4mm厚のプレートが曲がることで衝撃を吸収してるワケだ。

 

純正のエンジンガードもこの部分に取付けられるが、もう一端はエンジン下部のハンガーボルト付近のフレームにも固定されている。スキッドパッドのみの場合と比べると衝撃は分散されることになるものの、どのみちこの4mm厚プレートにはダメージが残るように設計されているのだろう。だから6mmと4mmという厚みの違いがあって、薄い方が曲がることで結果的にエンジンやフレームを守ってくれている。

 

当時のCB750のカタログを読み返してみると『 剛性アップのために、エンジンブロックを剛性メンバーに取り入れて… 』とある。6mm厚の方はフレームとエンジンを一体化するための丈夫なプレートということで、やはりその厚みの違いには役割分担がハッキリと現れている。全部が強いと全体が痛むが、一点が弱いことでそこで吸収出来る。

 

フレームの歪みは正直なところあまり気にしていない。30年近く前のダブルクレードルフレームなんて今どきの高性能バイクの高剛性フレームと比べればフニャフニャなんだろうし、ハンガープレートを交換したことで矯正されるのではないかという期待もできなくはないので。アルミのボックスフレームなんかだと曲がったら曲がりっぱなしなんだろうけど、鉄はしなやかだから大丈夫。交換する前も後も真っ直ぐ走ってるんだから大きな問題じゃないのよ。

 

【追記】

この記事は私個人の見解なのであしからず。

 

それにしても、この4mmプレートの剛性を上げることでフレーム剛性も上がるんじゃないかとか思ってしまう。転倒時のダメージは計り知れないものになるかもしれないが。

 

以前MT-09に乗っていたとき、高速域で妙な挙動を感じたことがあった。路面がうねっているような場所でリアが捻れるような…。後から知った事だが、アレはスイングアームが弱いようだ。フレーム全体が捻れてくれる方が違和感がない。というか、そういうバイクに慣れている。だからCBなのかな、俺は。