インジケーターレンズ補修
内側のエキパイが2本とも付いてないのでエンジンかけられないバイク。今のうちに細々したやり残しをやっつけることにした。
ニュートラルとかウィンカーとか、前期モデルだとメーター下に四つ並んでるあのランプ。特に右側の二つが触るとガタガタになってきてる。ここから水が入ると良くなさそうなので直すことにしよう。
中がどうなってるのかは以前エンブレムを変えた時に確認済み。レンズの裏側のスポンジみたいなパッキンが硬くなっていて、触ると黒い粉末になるくらい劣化していた。実際にバルブが入る白い穴の内側は真っ黒になってたし。
硬くなったスポンジの厚みが2mmだったので、2.5〜3mmくらいの弾力性のある素材を探してみる。ホームセンターを物色していたら丁度良いものを発見した。3mm厚で幅50mm、片面に粘着剤が付いててロール状のスポンジ材。これがまた偶然にも幅がピッタリだった。ラッキー!
形を合わせて切り抜くのだが、スポンジ+粘着剤は綺麗に切れない。試行錯誤した結果、サイズが近いディープソケットを押しつけて先の細いクラフトナイフで周囲をプチプチ刺すようにしたら上手くいった。
↓ わかるかな?
丸い穴をレンズに合わせないと隣の光が漏れてくるので、そこだけ気をつけて周囲はテキトーに。組み付けてから失敗に気付くこともあるかもしれないから粘着剤の剥離紙は剥がさずにそのまま装着してみた。
↓ 表から見るとこうなるけど白い部分は隠れる。
防水性を重視したいのは裏側(下側)なので、スポンジ面がメーター本体に密着すればOK。組んでみたらスポンジの厚みも丁度良い感じだった。
それにしても、外すときにメーター裏の配線の写真を撮っとい正解だった。配線にクセがついてるももの、危うく間違えて取付けるとこだった。小さいビスで留める端子を忘れそうになったりして、実際この写真と照らし合わせながら取付けた。
スピードメーターケーブルの取り回しが怪しいが、とりあえずランプ類の点灯チェックだけして作業終了。例の4,500rpm以上回らない事件もあったことだし、やっぱり走って確かめたいもんだ。ノーマルマフラー付けるか? いや、やっぱり面倒くさい。
エキパイ修理依頼
日曜日の朝、埼玉県川越市郊外。このご時世で県境を越えるのはいかがなものかと思ったが、目的地以外では人との接触をしないよう心掛けて車で移動してきた。これは明らかに不要不急ではあるが。
到着したのは SSP Factory 。マフラー修理の見積もりをお願いした工房です。
当初は凹んだパイプを郵送するつもりだったが、久しぶりにドライブしたい気分になった。通勤以外に車で出掛けるのはコロナ禍以来無かったし、このところストレスも溜まってきてるのでエキパイと一緒に心身もリフレッシュすることにした。
その前に、あらためて外したエキパイを見て冷静に考えた事。やっちまったときは凄く凹んでるように感じだが、こうして見るとそうでもない。凹みが小さい方は修理しなくても良いかな?とか思ったりして。いやいや、まだそれなりに熱い排気が当たる湾曲部ですぐ後ろには集合部がある。ここで乱流が起きると排気干渉に影響が出るではないか。レース等のシビアな走りを追求するわけではないが、やっぱり気分的に良くないので直してもらおうかと。
持ち込みにしたのはもう一つ理由があって、その場ですぐ直してもらえるのなら作業を見たかったから。どんな治具をどう使うのか、そういったプロの職人の技を目の当たりにしたかった。
が、世の中そんなに甘くない。修理やワンオフ製作の依頼が多くて今週は手を付けられないらしい。来週中には仕上げてもらえるとのことなので、エキパイを預けて早々に退散。残念だったが、人当たりが良くて信頼出来そうな方だったので安心した。今から仕上がりが待ち遠しい。
さて、ノーマルマフラーに戻すのも面倒くさいし、しばらくエンジンかけられなくなってしまったぞ。ということで、バッテリーは外して充電でもしとこうかな。
エキパイ修理見積もり
ワンオフマフラーを製作している某ショップに画像を送って問い合わせてみたところ、小さい凹みの方が修理代4,000円、大きく凹んでいる方が修理代5,000円とのこと。どちらも税別。ただしこれは凹みの修理のみ。外側のガリ傷を目立たなくするには更に1本2,000円プラスになるそうだ。
完全に綺麗にするとなると全体を研磨してピカピカにするしかないようで(もちろん別料金)、そうなると焼き色も消えてしまう。言われてみればガリ傷はシルバーっぽい色だもんな。焼き色って表面だけに付くのか、知らなかった。
まあ、この焼き色は結構気に入ってるので研磨してもらう選択肢は無い。…にしても、合計で14,300円(税込)を高いと見るか安いと見るか。ガリ傷そのままでも9,900円。う〜ん、これはちょっと悩ましい。修理してもらうとなると、どこに価値観を見出すかが問題だな。
いっそのこと自分でやってみるか? 内側に硬くて丸っこい物当てて外から叩けばいいんだろ? 板金修理の基本だぜ。…なんて、頭の中で悪魔が囁いている。そんなことしたら2本とも使い物にならなくなるのは目に見えているし、そもそもそんなことする勇気はない。
自分への戒めの意味も込めて、やはりここはプロにお願いしてみようかな。
マフラー底突き!
道を間違えてUターンする為に入ったコンビニの駐車場。ついでに買い物しようかと思ってコンビニを選んだのに、そのまま停まらずに出てしまった。しかも横着して段差の高いところから車道へ…
! ガリッて聞こえたぞ?
で、これだ…
ま、まあ、よくある事だけどね…
排気音に変化は無さそうだが、集合直前の湾曲部分だから排気の乱流とか気になるっちゃ〜気になる。
こういうの直してくれるところがあるんだよな、以前どなたかのブログで読んだことがある。パイプが酷く潰れた場合は密閉状態にして圧をかけるらしい。凹んだ部分がある程度出てきたら叩いて直すんだとか。も一度調べて見積もりだけでも出してもらおうか。
ウィンカーをダブル球化
念願だったフロントウィンカーのダブル球化。ポジションランプが点灯してくれて嬉しい。
ヘッドライトが常時点灯なのでポジションランプがなくても車検には通るが、始動時OFFになるリレーを使っているので点け忘れたときのことも考えるとポジションランプは欲しいところ。単に点いてる方がカッコイイというのもあるんだけど。
ウィンカーはSRX(Ⅲ型)のアルミボディのものを使っている。大きさ・質感・視認性と全て満足。純正品はシングル球用ですら既に廃番。ダブル球仕様に至ってはとっくの昔に早々と廃番になっていた。同じボディを使ってクリアレンズ仕様のシングル球のものがワイズギアから出ている。商品名は『汎用クリアフラッシャーセット』。今回はそれを加工してみた。以前ボロボロの中古ウィンカーでトライした時はソケット部分がビクともしなかったので諦めていたが、新しいものなら何とかなるんじゃないかという安易な発想で。
案の定、新品で試したらソケットが抜けた。
新品だとソケットを咥え込んでる樹脂部分が柔らかいようで、プライヤーで摘んでグリグリやったらなんとか外れてくれた。
抜き取ったシングル用の配線。接点の奥はゴム栓のようになっていて水の侵入を防いでくれる構造だ。さすがスタンレー、いい仕事をしているな。
用意したソケットはPOSHのウィンカー補修部品。何種類かあったけど、どうやら固定用の先端リングの形状の違いらしい。ソケットは奥まで差し込まないとバルブの抜き差しが出来なくなるので、このリングは外して使用することになるからどれでも構わない。そういうことだと判っていたら一番安いのにしたのになぁ…
で、ソケットは入ったものの、バルブを差して導通を調べると接触不良をおこしている。ソケット内でスライドする電極の動きが渋いことが判明。バルブを入れ直したら大丈夫だったり、もう一度やるとダメだったり、その繰り返し。
元々のソケットは完全な筒状だが、補修用のソケットは側面にある接点の位置決めの溝が開放状態になっている。そのおかげでスライドするプレートがウィンカーの樹脂部分と干渉しているようだ。とりあえずこのまま使ってみるが、バルブが切れたら交換できない可能性もある。う〜ん、ちょっと不安は残るが、これは課題として対策を考えよう。
それにしても、ウィンカーの交換て地味に面倒くさいんだよね。ウィンカーの根本近くに防水カプラーとか追加してみようか。まあ、それはそれで面倒くさいが。
CBX750F用センタースタンド
先日メッキのピボットキャップを見つけたカタログ写真でもう一つ気になるモノがあった。
キャブの後ろのファンネル風カバー? いやいや、これはもう新品では手に入らないし、サイドカバーの形状が違うのでポン付け出来ないのもわかってる。それはさておき…
CB750とCBX750Fはエンジンやピボットシャフトが同じであることが判ったので、エンジンを囲むフレームのメインとなる部分も基本同じなんじゃないかと。そんな仮説をもとに気になったのはセンタースタンド。取付け部のカラーも部品番号同じだし、ネットで探したスタンド単体での画像を見比べてみると基本的な形状は変わりないように見える。しかもステップ部分の張り出し方がCBよりスマートに感じた。
CB750のマフラーを集合管にして、センタースタンドのステップの出っ張りが気になってる人も多いハズ。自分もその一人だが、軽量化の目的もあってセンタースタンドは外してた。整備性を考えると無いよりはあった方がいい物なので、あのツノみたいな張り出しが気にならないようなら使ってみたい。そう思ってダメ元でCBX750Fの中古スタンドを探してみた。
上がCB750(RC42)、下がCBX750F(RC17)用。やはり車体への取付け部分は同じ。そしてステップの張り出し方が違う。あと、CB純正の方には左側中間位置にプレートが溶接してあって補強されている。これは気にしなくていいだろう。重たい純正マフラーのときにはセンタースタンドも純正に戻すことになるから。
そうなのよ。CBX用はマフラーを避ける為のステップ部の湾曲が少なめなので、ノーマルマフラーのときはCBには使えない。CBはマフラーの太い位置にこのツノが出るのに対し、CBXは太くなる手前にツノが出ているからCBほど外に張り出していない。画像で見たときスマートに感じたのはこのせいだ。実際に測ってみると外側への張り出しはCB純正より3センチくらい少なめ。よく見るとこのツノは先細りになっていて、これもスマートさの要因かも。
スプリングの取付け位置もほぼ一緒。
サビサビだったので黒く塗ってから装着してみた。スプリングはCBのもので問題無し。基本部分が同じなので社外品のストッパーもそのまま使える。
出っ張り具合はステップ(運転するときに足を載せる方ね)とほぼ一緒。どうよ? ツノがそれほど邪魔にならなくなったぜ。集合管でセンタースタンドも使いたい派の人にはお薦めです。
部品番号 50500-MJ0-000 (メインスタンド)
残念ながら恐らく廃版だが、探せば中古はまだまだ手に入りそう。
CBX750F用ピボットキャップ
CBX750Fのカタログの表紙写真。さすがにツナギのデザインに懐かしさが漂うが、やっぱりこのバイクはカッコイイ!
…なんて思いながら眺めていたら、つま先のところで光っているパーツが気になった。
別の写真で確認するとスイングアームのピボット部のキャップがメッキじゃないか! 部品を調べてみたら一個800円弱で今でも新品が手に入る。金額からして金属製ではなさそうだが、モリワキのジュラルミン削り出しのもの(商品名はフレームホールプラグ)だと6千円くらいするのでこれはお手軽ドレスアップになるんじゃないか?
念の為パーツリストを見比べてみると、ピボットシャフトはCBX750FとCB750で共通なのでたぶん使えそう。さらによく調べたら、ナイトホーク750にもこのメッキのキャップが使われていた。これでCBに取付可能なのは確定だな。早速部品を注文してみた。
部品番号 : 90302-ME5-000
部品名称は『キャップ,ロックナット』
足が当たったりするとすぐハゲそうだが、とりあえず満足感はある。
エブリイは夏タイヤへ
一年前に緊急事態宣言が発っせられて以来、通勤と日常的な買い物以外は人と接するような外出を控えてきた。週末一歩も外に出ないことも多々あり、当然車を使う機会も少なくなるワケでこの一年間の走行距離は3千キロにも満たなかった。
いくら外出が少ないとは言え、坂が多い場所に住んで車通勤をしている者としては冬場にスタッドレスタイヤを履くことは義務だと思っている。それもまあ、今シーズンは短い冬だった。そういう印象しか残っていない。結局スタッドレスの恩恵は一度も感じられないまま16週間ぶりに夏タイヤへ履き替えた。
午後から雨の予報だったので朝から作業。外したスタッドレスはホイールを洗ってタイヤも拭いて、乾いたところでカバーをかけて年末までおやすみなさい。来シーズンこそはサラサラのパウダースノーを走らせてあげたいものだ。
⚠️ 教習車(CB750L)について
【記事最終更新 2021.05.09】
CB750の教習車と市販車との違いをあらためて備忘録に残しておこうかと。というか、自分なりに過去に得た情報のまとめ。場合によって裏取りはパーツリストから。
過去には最終型まで記載されている5版を持っていたが、残念ながら今は手元に無いのでバイク屋さんで3版を見せてもらってる。
初代教習車が発売されたのは1996年1月。エンジっぽいカラーの市販車二代目CB750FⅡTが出たあとで、名称はCB750LT (RC42-115xxxx)。ボディカラーはスターリングシルバーメタリック。
何故か初期型のパンフレットまで持っている。
市販車との主な違いは以下。
・油圧クラッチ
・大型オイルクーラー
・リア片押し2Podキャリパー
・アップハンドル&ステップ
・ローシート
・ブラックマフラー
・ブラックメーターカバー
・ポジション付きヘッドライト(50/40W)
・ライトステー
・角形ウィンカー
・丸型ミラー
・グラブバーレス
その他、大型ガードやシフトポジション等を示すランプ類の教習用装備が付属する。これらの専用装備取付けの為、フレームはダウンチューブやシートレールの細部が変更されている。
外観は、タンクのエンブレムがFⅡT同様にアルファベットでHONDA。リアサスはリザーバータンク無しでスプリングはメッキ仕様。メーターはカバーが黒くなるだけでなく、メーター下のインジケーターランプの配列が違っている(ウィンカーが左右独立している)。
エンジンは圧縮比が8.8と市販車より低く、最高出力73PS/最大トルク6.3kgmというアンダースペックとなっている。キャブのメインジェットは市販車と同じで外側が#110、内側は#112。余談になるが、同じエンジンでもナイトホーク750は4発とも#110だった。
オイルクーラーは市販車より1段多い7段コアで幅も広く大容量。初代のパンフレットには8段オイルクーラーとの記載があるが実際には7段。尚、初代の電動ファンはオプション設定で、パーツリスト3版では最終頁に別途記載されている。発売当初からオプション設定されていたかどうかは不明。
油圧クラッチの採用はワイヤー調整等の日常的なメンテナンスを無くすことが目的。同じエンジンのCBX750Fは油圧クラッチだったこともあり、コストをかけずにメンテナンスフリー化を実現している。また、この初期型ではミッションやスプロケットの変更はなく減速比は市販車と変わらない。
二代目はCB750LW (RC42-120xxxx)。外観上はオイルクーラーのみ変更。しかし、ここから実用面での大幅な仕様変更がある。他のモデルは市販車の仕様変更に追随して発売されているが、このLWだけは妙なタイミングで登場している。オーバーヒートや低速走行教習などで初代(LT)が現場から不評だったことが伺える。
オイルクーラーは更に1段多い8段になり、オイルホース取付けがコア上部になって市販車とは異なる形状に変更される。電動ファンも標準装備。更に、最大の変更点は減速比。リアスプロケットが39Tから43Tになり2次減速比が大きくなるが、それだけでなくミッションのギア比もより教習用に特化した設定となる。
[ 変速比 (市販車 → 教習車) ]
1速 3.000 (14T/42T) → 3.000 (14T/42T)
2速 2.055 (18T/37T) → 2.235 (17T/38T)
3速 1.545 (22T/34T) → 1.269 (26T/33T)
4速 1.240 (25T/31T) → 1.035 (28T/29T)
5速 1.074 (27T/29T) → 0.964 (28T/27T)
例によってパーツリストから拾った歯車の歯数から算出した変速比。これはあくまでミッションだけで比べた結果。リアスプロケの変更でファイナルも変わるので、1次〜ミッション〜2次のトータルでの減速比は以下のようになる。
[ トータル減速比 (市販車 → 教習車) ]
1速 13.887 → 15.312
2速 9.515 → 11.409
3速 7.154 → 6.478
4速 5.740 → 5.286
5速 4.972 → 4.921
これは単純にエンジン回転数とリアタイヤ回転数の関係を表す数値になる (例えば15.312の場合、クランクシャフトが15.312回転するとリアタイヤが1回転する)。前回の『スプロケットと速度』でも述べた通り、6速ミッションの3速が抜けてるような繋がりになっている。言い方を変えると、2速を使える幅が広い設定。
【追記】
友人に貸していた初代(LT)の整備要領書が戻ってきたら、過去に自分で書いたメモが見つかった。
これは以前ヤフオクに出品されていた教習車用サービス資料(整備要領書)の画像から書き写したもの。つまりL4以降のどこかでもう一回ミッションのギア比が見直されている。最終的な変速比はメモ書きの通りで間違いない。
三代目はCB750L1 (RC42-130xxxx)。外観上はタンクのエンブレムがウィングマークに変更されるが、その他の仕様変更はほとんどない。
四代目からカラーリングが赤白になり、以降L4、L5、L7が発売されている。ミッションの変速比以外はほとんど仕様変更は無いと記憶しているが、今となっては裏が取れないので詳細は割愛。
四代目 CB750L4 (RC42-140xxxx)
五代目 CB750L5 (RC42-155xxxx)
六代目 CB750L7 (RC42-165xxxx , 166xxxx)
市販車はF4からイモビライザー付きの後期型となるが、教習車には当然そんなものは付いていないので前期も後期もない。強いて言えば、シルバーが前期でL4以降の赤白が後期ということになるのか? 尚、最終型L7の車体番号が2種類あるのは生産拠点の違いと思われる(未確認情報)。2008年に浜松製作所での二輪車生産が終了して熊本製作所に移管されているので、165xxxxまでは静岡産、166xxxxは熊本産ではないかと推測できる。
◆ 市販車へのパーツ流用
現実的に流用できるのは(あるいは流用するメリットがあるのは)、オイルクーラーとリアキャリパーくらいか。見た目で黒いマフラーにするのもいいが、なんせ教習車なのでまともな状態の中古はまず無いと思った方がいい。
[ オイルクーラーの流用 ]
初期型のオイルクーラーは市販車より幅が広くて1段多い7段。幅広なのでホース取付部も左右に離れるが、1段分位置が低くなるのでホースは市販車と共通(部品番号が同じ)。オイルクーラー自体の取付け方は同じなので入手できれば無加工で流用できる。実際に使ってみたことがあるが、夏場は良いが冬場はオーバークール気味。高速巡航中だと60℃を下回ることもあった。交換は簡単なので、ノーマルの6段と両方持っていれば夏冬使い分けるのがいいかもしれない。8段のものは取付け部も異なるのでポン付けは不可。
電動ファンに関してはジェネレーターの容量が変更されているかどうか不明なので、後付けする際は必要な時だけ使用できるようON-OFFスイッチを追加した方が無難かもしれない。
[ リア2Podキャリパーの流用 ]
市販車へ流用する場合はキャリパーサポートとブレーキホースも必要となる。バンジョーボルトの位置と向きが変わるので、市販車用のホースではバンジョーの角度が合わず取付けできない。これも使ったことあるが、効きが良いというよりはコントロールしやすい印象だった(個人の感想です)。ただ、メンテナンス性が悪いので結局ノーマルの1Podに戻した。
パッと見は右フロントキャリパーと同形状だがキャリパーを起こす向きが違う(黄色矢印のボルトを外して赤矢印を支点に起こす構造になっている)。当然ホースが邪魔でキャリパーが起こせないし、ホースを切り離して起こしたところでパッドはうまくハメられない。つまりパッド交換はキャリパーを固定した状態でパッドピンだけ抜いて行うことになる。これがまた作業がやりにくい。結局のところピストンやシールの状態まで見たければ、オーバーホール前提でリアホイールを外すことになる。
[ その他の流用可能パーツ ]
アップハンドルは好みの問題で使用可能だが、カタログ数値での全高は5mmしか変わらない。スイッチ類の部品番号は当然違うが、パーツリストでは配線の長さの違いまでは分からない。その程度のアップ具合ならノーマルのままでも配線は届くのではないかと。
この他ライディングポジションに関しては、ローシートを採用しているが純正オプションのそれとは部品番号が異なる。具体的な違いは不明だが、流用するより自分のシートをアンコ抜きした方が手っ取り早いかもしれない。
ステップは踝辺りのガードが社外バックステップっぽいデザインになっているが、ポジション的には低く前寄り。ガード部分を含むベースプレートやステップは鉄製なので、デザイン以外に流用するメリットはあまり無い。シフトペダルは部品構成の違いから市販車と部品番号が違う。断言は出来ないがペダル自体が短い可能性あり。ただ、ブレーキペダルは市販車と同一なのであくまでも可能性としての話。
◆ 中古車を購入する際の注意
ヤフオク等で出品されていたり、一部の教習車を扱う中古車店で手に入れることは可能。登録書類が揃っていることが大前提ではあるが、車検を取れば(新規登録すれば)公道を走ることもできる。教習用ランプ類は外されるのでヘッドライトとメーターの間に大きな隙間ができてカッコ悪いが、これはライトステーの交換で対処可能。また、教習車は前後ブレーキが個々に点灯し、通常のテールランプはリアブレーキ専用の配線になっている。フロントブレーキでも点灯しないと車検には通らないが、その辺りも一応確認すること。個人的にはギア比が気になるので乗る気はしないが、ジムカーナや通勤スペシャルなどの限定的な使用状況においては適しているかもしれない。
スプロケットと速度
スプロケのことを考えて減速比を丁数ごとに比べてみたこともあり、暇なのでエンジン回転数と速度の関係を計算してみた。
タイヤはダンロップのGPR-300、リアのサイズは150/70ZR17で外径はカタログ記載の644mmで計算。車重等による偏平での外径変化は考えない。スプロケがノーマルのままなら各減速比は以下の通り。
1次減速比 : 41T / 73T → 1.780
変速比
1速 : 14T / 42T → 3.000
2速 : 18T / 37T → 2.055
3速 : 22T / 34T → 1.545
4速 : 25T / 31T → 1.240
5速 : 27T / 29T → 1.074
2次減速比 : 15T / 39T → 2.600
尚、1次減速比のクランクシャフト側の歯数41Tは推測。Webで見つけたクラッチアウターの画像で歯数を数えたら73Tだったので、CB750のカタログに記載されている減速比1.780から逆算した。たぶん41Tで間違いない。トランスミッションの歯数はパーツカタログから拾ってみた。
さて、エンジン回転と速度の関係。大抵の場合は高速走行時のエンジン回転数が気になると思うけど、理解しやすくする為にまずはリアタイヤの回転数を導く。簡単に言うとエンジン回転数 × 各ギア比 (減速比の数値は割り算を逆にしているので、これを用いるなら計算も割り算で)。例えば、5速で3000rpmの場合のリアタイヤ回転数は以下の通り。
3000 × 41/73 × 27/29 × 15/39 = 603.3574回転
(3000 ÷ 1.780 ÷ 1.074 ÷ 2.600 = 603.564回転)
※ 誤差を少なくする為にも、上記のようにカタログの減速比の数値で割り算するより歯数での分数計算の方が良い。より正確な値が出せる。
この回転数の単位はエンジンと一緒、つまりrpm。リアタイヤが毎分何回転するかを表している。これをタイヤの外周(外径 × π=3.1416)に掛けると1分間に進む距離になる。速度はkmなので、外径 644mm = 0.000644km で計算。更に60(分)を掛けると1時間に進む距離、つまり時速(km/h)となる。
(0.000644 × 3.1416) × 603.3574 × 60 = 73.2424km/h
5速 - 3000rpm での速度は約73km/hということになるワケで、逆算すれば速度からエンジン回転数も求められる。まあ、そんな計算をするのは面倒くさいと思うので、スプロケの歯数以外を計算済みにして公式を作ってみた。気になっている方はどうぞ計算してみてください。(こんなまわりくどい解説をしてるところが暇人の証だな)
フロントのスプロケットがノーマル(15T)の場合
◆ 速度 = 回転数 ÷ リアスプロケ歯数 × 0.9521
◆ 回転数 = 速度 × リアスプロケ歯数 × 1.0502
フロントのスプロケットを16丁にした場合
◆ 速度 = 回転数 ÷ リアスプロケ歯数 × 1.0156
◆ 回転数 = 速度 × リアスプロケ歯数 × 0.9846
ノーマル(15T -39T)なら5速で…
80km/h → 3277rpm
100km/h → 4096rpm ということになる。
16T - 42T にすると…
80km/h → 3308rpm
100km/h → 4135rpm と大きくは変わらない。
これはあくまでも理論値でタイヤの摩耗や空気圧の違いでも誤差は出る。でもまあ、スプロケット交換で歯数を迷ったらこんな感じで計算してノーマルと比べてみればいいのです。当然リアスプロケットが大きくなれば低速型(加速重視)、小さくなれば高速巡航でエンジン回転を抑えることができる。
参考までに高回転での速度も計算してみると…
最大トルク付近の7500rpmで 183.1km/h
最高出力を叩き出す8500rpmで 207.5km/h
レッドゾーンに入る9200rpmで 224.6km/h
(いずれもノーマルの 15T -39T で5速の場合)
※ 理論上はこうなるが、空気抵抗や機械損失等の影響で残念ながらこの速度にはならない。
余談になるが、教習車はトランスミッションのギア設定が違うので当てはまりません。ただし初期型(RC42-115xxxx)だけはノーマルと同じ。二代目以降(RC42-120xxxx、130xxxx)は特殊な設定となる。一次減速比から二次減速比まで含めたトータルの減速比が、1速ではノーマルより低くて、2速と3速は異様に離れてる。例えるなら6速ミッションの3速が抜けているような感じ。つまり2速を引っ張らないと3速が使えない。低速小回りが多いジムカーナなんかだと扱いやすいのかもね。
※ 赤白カラーになったRC42-140xxxx以降は未確認
あぁ、そうだ。教習車とノーマルの違いも備忘録にまとめておこう。